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どれ位経った頃だろう、クラスのドアが閉まる音がする。どうやらHRが終わって、レイチェルが教室を出て行ったらしい。その証拠に、教室はザワザワと騒がしくなる。いつの間にか眠り扱けていた朱音は、その音に反応するかのようにゆっくりと頭を持ち上げる。
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「ニゲ、ルナ……!!」
外野の三人組が揉めている間、トロルと朱音は攻防戦を繰り広げていた。と、言っても、朱音は一度も攻撃を仕掛けず、トロルの攻撃を間一髪のところで避けていた。
(中々、懐に潜りこめない……!!)
遅かった、と一瞬そんな言葉が脳裏に浮かぶ。
が、横たわったまま制服がピクリと動くのが分かった。微かだが胸のところが上下している事からも、生きているのは確認出来る。
無事とは言いがたいが生きてはいる。それにこのまま、動かないでいてくれほうが幾分か助けやすい。
「リセリア、今日は随分とご機嫌斜めですね」
登校途中の今、のほほんとそういう彼女の顔を見ながら、私はあくまで顔色を変えずに何でもないと答えた。
正直言うと、昨日学院長から頼まれた件のせいで、ずいぶんと不快な気分にさせられている。面倒ごとばかり押し付けられる此方の身にもなって欲しいと思う。