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「ロザリィ?本当にあんな奴を、生徒会に引き入れるつもりなの?」
ロザリィの隣を歩いていたアリアは、不満げにそう言いながら顔を顰めた。今日は半日で学校が終わったこともあり、廊下に居る生徒たちはいつもよりずっと少ない。もう少し時間が経てば、校内には生徒会役員しか残らないだろう。
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「ふぅ……」
数学で使う教材を手に持ちながら、ミリアは軽く溜息を吐く。廊下では、いつもの事なのだが、自分の事を見ながらヒソヒソと囁く声が聞こえていた。軽蔑や疎んじるその視線に、ミリアはいつもと同じように、肩を縮こませながら廊下を歩く。一メートルはある教師用の三角定規を教室まで運びながら、ミリアは悩む。
どれ位経った頃だろう、クラスのドアが閉まる音がする。どうやらHRが終わって、レイチェルが教室を出て行ったらしい。その証拠に、教室はザワザワと騒がしくなる。いつの間にか眠り扱けていた朱音は、その音に反応するかのようにゆっくりと頭を持ち上げる。
「ニゲ、ルナ……!!」
外野の三人組が揉めている間、トロルと朱音は攻防戦を繰り広げていた。と、言っても、朱音は一度も攻撃を仕掛けず、トロルの攻撃を間一髪のところで避けていた。
(中々、懐に潜りこめない……!!)