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「のぉぉおおおおおおおお!!!」

 先程から地を引きずるように吹き飛ばされ、その度に手の内にあったスフィアは跡形も無く粉砕していく。そして、意固地になってまた、渡された袋から犠牲となるスフィアを取り出す事を、先ほどから延々と繰り返す朱音。その様子に、大樹の木陰で身体を休めている雅美たちから小さな溜息が漏れた。リプレイ動画を延々と見ているようにも思える場景は、朱音の修業が思うように捗っていない事を表している。

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前日祭当日


 前日祭は午前と午後に区切られて、交代制のもと回していく。チケット所持者の来場は当日のみとされ、前日祭は生徒たち及び教員のみで行われる。そのためか、当日よりも賑わいを見せるところも多いらしい。その筆頭となっているのがこの三年B組と噂されているせいもあり、噂の組の廊下は歩行者数が異様に多い。



 修行の地へと足を進ませる中、アリアはふとロザリィの顔を見る。昨夜より幾分かは優れた顔色に安心しつつも、微かに腫れぼったい目にチクリと胸が痛む。何かを振り払うようにアリアは軽く頭を振ると、視線はある人物に向けられた。相も変わらずからかわれて、ムスっとした顔つきの鬼宮朱音。こいつが来てからというもの、周囲の人間は徐々に変化を見せ始めている。

 事務室に手紙を預けた後、快晴のもと朱音達は中庭でサンドイッチを齧りながらひと時の休憩を楽しんでいた。
 手入れされた芝生は中庭の大部分を占めており、その中央には一本の大木が生えていて丁度良い木陰を作り出している。所々に設置されているベンチには、ちらほらと生徒の姿が見え、朱音達はベストポジションとも呼べる大木の根元に腰を落ち着かせていた。しかし、何故か朱音だけは、一人だけ胡坐を掻いてどんよりとした空気を漂わせながら、足元のサンドイッチは手付かずのまま、抹茶オレと記された紙パックと共に置かれている。


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プロフィール
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高野秋示
年齢:
38
性別:
男性
誕生日:
1986/10/31
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自己紹介:
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小説を書いてるWADAとはまた別の人
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